ZOOMお茶会とリニア

©静岡新聞社

長友くに

数か月に一度、「女子会」を開いていた仲間。コロナウィルスによる自粛要請で、半年以上集まれないでいた。5月中頃、そのうちの一人から「ZOOMで集まりませんか?」という呼びかけがあった。ちょうど「緑神奈川」運営委員会のZOOM会議があったばかりだったので、「ZOOMは超簡単で便利。招待してもらって参加をクリックするだけ」と返信(本当はそうは問屋がおろさず、悪戦苦闘して30分遅れで始まった)。「話すときはこのマークを、賛成するにはこのマークを」という説明が事前にあったにもかかわらず、皆さん言いたいことがたまっていて、発言マークなどどこへやら、おしゃべりがはずみあっという間に40分がたってしまった。「なんだか物足りないね」ということで、一週間後にみな同じ「ごちそう」を目の前に置いてお昼を食べながらおしゃべりすることにした。メニューはすったもんだで盛り上がった末、サンドイッチと果物に紅茶、と決まった。

そして1週間後。今度はすぐにつながり、中の一人が背景に本四架橋のような海の景色を選んでいたので、「エアー旅(行ったつもり)」の話題で盛り上がった。ただ、食べながらのおしゃべりは、沈黙の割合が多く、ちょっとぎくしゃく感。やはり集まってのお楽しみは代えがたい。

そんな中、5月30日に浜岡原発反対闘争のⅠさんから、リニアの静岡地域の設計図がFacebookで送られてきた。トンネルの標高は約1000m、千石非常口は標高1340mで延長は3070m、西俣非常口は標高1535mで延長3490m。リニアで事故が起こった場合、出口まで3㎞以上歩き(しかも上り坂!)、出たところが神奈川の大山ぐらいの山の上。けがをした人や高齢者が3㎞歩けるのか、トイレはどうなっているの、出口が雪だったらどうするの、など突っ込みどころいっぱい。さらに途中には畑薙山断層が800mにわたって横たわっている。ご存知のように日本列島は動いている。東日本大震災のあと、毎年5㎝以上あちこちの方向に動いている図を見て、クジラの上に暮らしている恐怖を味わった方も多いのではないだろうか。プレートがぐいぐい押し合っている日本列島に、トンネルを掘る愚はいうまでもない。造る前から廃墟が予想されている。それでも強行するのは、いずれ利権まみれの構造だからではないのか。やめたくてもやめられない。その結果莫大な資産が浪費され、子孫へのつけとなる。おまけにZOOM会議が流行れば、わざわざ出張する必要もない時代になる。一周遅れで使い道のない「リニア新幹線」。どんなに頑張ってスピードを出しても、瞬時につながるZOOMにはかないっこないもの。

ZOOMお茶会

数か月に一度のお茶を楽しみいし
仲間が開くZOOMお茶会

替えておいてよかった掛け軸夏の景
画面の隅に瀧たぎり落つ

サンドウィッチとフルーツ持ち寄り離れたる
場所の空気をつなぐお茶会

裏庭に鳥が種まきし枇杷の実も
お見せするだけそそくさ仕舞う

背景は本四架橋に似る海で
「エアー旅」話題に盛り上がる友

寄る辺なく漂う舟の自粛の身
つなぐはかなき電波の糸は