東京・調布市の住宅街で道路が陥没

西村光子(リニア新幹線認可取り消し訴訟・原告)

10月18日、東京・調布市の住宅街で、道路が陥没しました。長さ5m、幅3m、深さ5mの大きな穴です。下に水がたまっていたということです。住宅地の下は、1ヶ月前に外環道のトンネル工事が行われていました。その掘削工事が原因ではないかと目されています。

私はリニア新幹線認可取り消し訴訟の原告団の一員ですが、リニア新幹線も同様のシールドマシンによる工法でトンネル工事が行われます。
東京外環道訴訟を支える会の方が案内してくださるとのことで、10月29日に現地を訪ねました。

大深度法とは何か?
首都圏、近畿圏、中部圏の人口集中地においては、地下40m以深は、公共目的であれば地上の住民の承諾を得ることもなく、無償で利用できるという法律です。所有権、財産権を無視した憲法違反の法律だと、東京外環道沿線住民は2017年12月に、国と東京都を相手取って、大深度地下使用認可の取り消しを求める住民訴訟を東京地裁に起こしています。

使われているシールドマシンは?
国内最大、直径16mのカッターをぐるぐる回しながら堀り進みます。

2018年には、近くを流れる野川で、酸欠ガスの気泡が噴出し、遊歩道には出水
シールドマシンから地中に注入した添加剤入りのガスが噴出したため地中を通って酸欠状態になったガスが噴出したと見られています。

トラック10台の土砂で穴埋め
NEXCO東日本は、直ちにトラック10台の土砂を運び込み、穴埋めをしました。
陥没は昼頃に起こったのですが、午前中にNEXCO東日本の社員が近所の人に「陥没があるかも知れないので避難するように」と言って歩いていたということです。聞かなかった人もいるし、聞いた人も「避難してくれと言われてもどうしたらいいか」と困惑していたそうです。

今頃になってボーリング調査?
周りではボーリング調査が行われていました。
この陥没は地下基盤に粘土層がなく、石などの礫の割合が高く、「シールドマシンのカッターを回そうとしても重くて動かせない状況になり、そのために「振動が大きくなった」と言われています(東京新聞10月29日)。トンネルを少し大きく掘り、トンネルと地盤の間に空間が出来ることがあるとTVでも報道していました。その空間と礫層が振動でできた空間で、穴ができたのだろうかとも思われます(これは、当日参加した人たちの話から私が考えたことです)。
それにしても、なぜ今頃になってボーリング調査を始めたのか? 「工事をする前に、いや計画する前にやるべきだった。」これは案内してくれた住民の方の怒りの声です。

現在の陥没跡
ボーリング調査
ボーリング調査をしている人をつかまえて話を聞く

近隣の住宅に亀裂、道路に盛り上がりやへこみ

塀に縦筋や横筋の亀裂(1)
塀に縦筋や横筋の亀裂(2)
敷石と道路の間に1円玉が入るくらいの隙間ができた

ご近所の住民は不安で夜も寝られない
陥没から80mほど離れた家の女性の話です。
「この下の工事は1ヶ月ほど前に行われた。毎朝9時半頃になるとドスンと尻を突き抜けるような振動があり、昼休憩を挟んで夜の7時頃まで10日間ほど続いた。身体に感じる振動で、ペットボトルの水が震え、お風呂のお湯が波打つくらいだった。」
「陥没が起きたのは、この工事から1ヶ月後のこと。だから、いつ我が家の下に穴があいて陥没するかもしれない。それに、陥没するまでの1ヶ月、工事はだいぶ先まで進んだと思うので、その辺りでこれからも陥没があるかも知れない」
不安で夜も眠れないということです。

それにしても、たかだか車や新幹線のスピードをあげるために、住民の命と安全を無視するとはとんでもない国だと思いました。

続報

先に陥没地の周辺でボーリング調査をしていたとお伝えしましたが、その調査で北側40mほどのところに長さ30mの空洞が見つかったということです。

11月2日 発見

11月3日 住民説明会、住民からNEXCO東日本や国や市に追求がありましたが、空洞については知らせてなかったとのこと

11月4日 周辺の住民に知らせる

という経過があり、原因は現在調査中とのことです。