市議会議員になって思うこと

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下田市議会議員 長友くに

4月23日投開票の下田市議会議員選挙に立候補し、当選した。その経緯を述べると、下田市では2年前から市長主導で、西伊豆町・松崎町・南伊豆町からのごみを下田に運び込み、敷根地区に現在の2倍のごみ焼却場を作って燃やすという計画が進んでいる。その地域は、下田市唯一の中学校、認定こども園、敷根公園、市民プール、体育館などが立ち並ぶ文教地区であり、市民が運動したり散歩したりする絶好の場所で、将来は伊豆縦貫道の敷根インターが予定されている場所である。そのような場所に広域ごみ焼却場ができることが、ほとんどの市民が知らされない中、独裁的手法で進められていく。市長に市民との対話の場を持つよう要望していたが、数回の会合の後、去年の7月に一方的に「市民とはもう話し合わない」と宣言されてしまった。そこですべての住民に1市3町広域ごみ焼却場の建設の是非を問う住民投票を実施しようという動きが起こり、2022年の11月15日から1か月間「住民投票条例制定のための署名活動」が行われた。寒い中駆け回って、住所氏名生年月日まで書く署名を集め、有効署名2300筆を添えて選管に届けたのだが、1月末の臨時市議会で7人の市議の反対で否決されてしまった。賛成市議は5人。このような、住民の意思を無視する市議会はいかがなものかと思っているところへ、賛成派の市議のうち2人が4月の統一地方選挙に立候補しないという話が流れてきた。このままではさらに少数になってしまう、との危惧から、自分自身が立候補することにふみきったのである。

当選したのはよかったが、市議会とは思った以上に伏魔殿。議会のほかに出席を要請されることが多く、黒船祭にあじさい祭り、下岡蓮杖慰霊祭などというのもあった。今度の6月議会には4通の意見書を出したのだが、そのうち一つの「伊豆中央道の有料化40年延長」という問題にはE議員から「内容がかぶっているのでおろしてほしい。」と要請された。議会事務局からは「ゴミ問題は一部事務組合という別組織の問題になったから一般質問はしないでほしい」といわれ、O議員からは公民館問題について「自分の方が長いこと勉強もし、市職員とも話し合ってきている。一般質問から降りてほしい」との長電話をもらった。また、源泉所得税の納付を出納課員が忘れ、18万8千円余りの追徴金を払うという不祥事の問題では「今までにそういうことはあったのか。それを市の予算から補填するのに正当性はあるのか」などと質問したためか、N議長が休憩時間に「もう質問は控えてほしい」といってきた。市議が意見書を出したり不審点について質問したりするのは当然のことだと思うが、それをうるさがる議員、そしてひじを出してくる議員がいるのにはびっくり。先が思いやられる。そして半分の議員がお雛様よろしく壇上に並んだまま「異議なし」を繰り返す。国会議員も連日悲惨な状態をさらしているが、それが末端まで広がっている、というのが「議会」の現状ではないだろうか?まさに現代の抱える問題の1場面を見せられている感じがするのである。この2か月ほどで判断してはいけないだろうが、これからどう活動していくか、頭の痛いところである。

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この記事は平塚市内で発行されている『ひろば』に掲載された長友さんの報告を再録したものです。
長友さんは、みどり秦野で活動されていましたが、下田に移転されてすぐ、ごみ焼却炉建設問題に出会い、市会議員に立候補しました。その時に応援してくださったごみ焼却炉反対のひとたちから「ぜひ質問してほしい」と言われ、次回の市議会で質問することになりました。(編集部)