西村光子
4月16日にこのブログで、「コロナ災害を乗り越えるいのちとくらしをまもる何でも相談会」と、その実施のために走り回っている吉田和男さん (さんきゅうハウス理事) の緊急インタビューを載せました。相談会の初日、4月17日のNHKの昼ニュース、夕方ニュースで報道されたこともあってか、たくさんの方から相談があったようです。
吉田さんから報告がありました。
「これからですよ。行政はたらい回しが多いのが実態。生活保護の申請でも、どなたか付き添っていけば対応が違うんですが・・・」とおっしゃっていました。
吉田です。4月18日・19日に実施した「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る何でも相談会」の簡単な報告と感想を述べます。参加、ご協力いただいたみなさまありがとうございました。
(数字などは概算です)。
全国で70数回線、21地域、26ヶ所で午前10時から午後10時まで実施。東京都は4ヶ所26回線のうち立川市のさんきゅうハウスと多摩の森法律事務所では、合わせて6回線で午前10時から午後6時まで実施しました。
18日さんきゅうハウスで60、多摩の森155、19日さんきゅう110、多摩の森156の4711本の相談を受けました。
2日間とも全ての電話が開始から終了まで1分と空かず鳴りっぱなしでした。
対応は1日当たり10人の弁護士と、さんきゅうハウス・三多摩アクションから5人、緑の党・立川市山本、国立市重松、小金井市坂井の3人の市議が参加。
電話が終始埋まっていたので内容に関するものは報告書と電話対応者からの聞き取り、感想の一部を吉田がまとめたものです。
1日めは相談の7割が10万円国民一律給付金を生活保護利用者がもらえるのか、いつ支給されるのか、収入認定されて後で返せといわれないかというもの。この相談者の大半は生活保護利用者か。残りの3割は自営業者、減収、雇い止めにあった労働者、フリーランスなどからの持続化給付金、休業保障などの問い合わせ。社協などの小口貸付金の案内など行政機関の窓口紹介が大半でした。地域的には東京23区内が多く静岡からも10人以上相談が。
2日目は10万円給付金の問い合わせは半数以下に減り、長い聞き取りが必要な込み入った、深刻なケースなどが目立ちました。
いくつか紹介します。茨城県のフリーのバスガイドさん。2月半ばから仕事がない。3月1つ仕事をとったので求職状態と見なされ総合支援金は借りられず。
家賃払えず保障会社から住宅確保給付金は使えないといわれた。ガス、水道代の支払は待ってくれない。支払猶予を求めた市役所では、まわりは親族から援助してもらっている。(そんなこと言うのは)「あなただけ」と言われ料金を請求された。これに対して生活保護申請を勧めたが、車、保険金があると躊躇されたので同行支援できる人を紹介すると回答した。
夫がライブハウスのミュージシャン、ライブハウスの経営者、舞台監督などから収入がなくなったが使える制度はあるか。→国の持続化給付金の窓口案内。
タクシードライバー直近3ヶ月の収入は以前の70%で5千円。5月1日~15日まで休業。前の商売の借金がある。→休業手当払えとはいえない。小口貸付金を勧めた。
国の対応を評価するかを全く評価しないから高く評価するまでの5段階評価では、どちらとも言えない、評価するもおそらく4割ほどあった。安倍はまあまあよくやっているが、麻生はダメだという声も複数あった。
安倍のコロナ対策への批判、怒りよりも自分の生活ををどうしていくかの心配・不安が上回っているように思える。
以下は私の2日間をとおした電話相談の評価、感想です。
- 「一律10万円給付金」を生活保護者や生活保護利用者をはじめ生活困窮者がこれほどいまかいまかと給付を渇望していることの深刻さと意味を政府に伝える必要がある。
- 融資よりも給付を望む声が圧倒的であるにもかかわらず、実際に使える制度が種々の制約と受付窓口のわかりにくさ、混雑、不適用の線引きで使える人、活用できる人が限られていることが明らかになった。
- 電話相談者は事業資金より生活資金、休業保障を望む人が大多数であった。
- 生活保護の申請をできる人、受給「資格」があるかないか微妙な人が結構いたが、申請をためらう人、一人で申請にいっても受けられない人への支援団体の紹介と対応が求められているが、まだまだ不十分である。
- 今回の弁護士有志とさんきゅうハウス(+三多摩アクション)の電話相談活動を継続・発展させていこう。
- 4、5の課題とともに10万円給付金を社会連帯基金として構想しよう。呼びかけ主体、実施団体を早期に相談して、外国人労働者、DV被害者で住民票のある世帯主に届く可能性のある人などの漏給者に配分する。住まいを失った人の住居確保と維持、途上国生活困窮者への医療、生活支援などもできないか。